こんにちは、佐藤です。
今回は、現在展開している「Low gauge Socks」の随所にあるこだわりについてご紹介いたします。
靴下といえば、他の衣服に比べ見える範囲が少なく、また比較的消耗が早いアイテム。そのため、多くの方が気軽に買い替えることが多いかと思います。ただ、そんなアイテム一つにしても、商品の奥行きを知り愛着を持つだけでも、より長く使いたいと思えるのではないでしょうか。
今回のレポートではLow gauge Socksにある「染め」と「生地」について紹介しています。ぜひこの機会に、アイテムにある背景を少しでも知っていただければと思います。
一目見て目を引く鮮やかな色合いは、天然の染料である「藍」から抽出されたもの。同系色としてよく比較されるインディゴ染めとは異なり、仕上げまでの工程にはかなりの時間と手間がかかります。
インディゴなどの化学染料と比べ、とても非効率である天然の本藍染め。ただ、その非効率さでしか現れない風合いや表情があるからこそ、現代でも伝統と誇りを持った技術が引き継がれています。そして、その魅力に惹かれ求める人が多くいることもまた事実です。
人工の染料で生まれるのはムラのないフラットな色合い。そこには均整の取れた綺麗さがあれど、ものの一つ一つにある特有の生きた表情を感じることはできません。
本藍は種植えから始まり、その時期の状態によっても、また人の手で染める状況によっても微妙な違いが生まれてきます。ある意味、この世に一つとない色合いがそこで生まれていると言えます。自然から生まれた天然染料ならではの豊かな表情を、ぜひ実際に手に取って感じていただければと思います。
本藍の鮮やかさを引き立てる要素の一つとして、スラブ糸と呼ばれる白糸を共に編み立てています。スラブ糸は太さにムラのある不均一な糸で、それを取り入れることで靴下全体の表情により豊かさや奥行きを加えています。
人の手で丁寧に染められた藍色との相性としても、個性を持つスラブ糸は最適な糸ではないかと思います。
編みには、「本藍」や「スラブ糸」に感じる豊かな表情を生かすため、素朴さを感じさせるローゲージ編みを採用しています。手編みのようなざっくりとした網目が特徴で、細かい目のハイゲージとは異なり、ふっくらとした肌触りです。
またLow gauge Socksは、靴下生産量日本一を誇る奈良県広陵町で「旧式編み機」により編み上げられています。ゆっくりと編まれていく生地は、旧式の編み機でしか生み出すことができないふんわりとしたやわらかな仕上がりに。肌に直接触れるものだからこそ、その魅力を実感していただけます。
今回は、Low gauge Socksにあるこだわりをご紹介いたしました。背景を知っていただき、アイテムに対する愛着や長く使いたいという思いを少しでも感じていただけると幸いです。
ちなみにローゲージの靴下は新縮性や通気性の良さも併せ持ちます。季節を問わず、長くお使いいただければと思います。
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・Indigo Dye Col. / Low gauge Socks #01
・Indigo Dye Col. / Low gauge Socks #02