生産背景:広島県「本藍染め」Vol.1

生産背景:広島県「本藍染め」Vol.1

こんにちは、米本です。

梅雨に入る前、次のコレクションについて考えていました。

私たちが物作りをする上で大切にしているのは、出来る限り「日本の技術を使うこと」「長く使える物作りへの工夫」そして「後世に残せる活動となるか?」です。

そこで1stコレクションでリリースしたラインアップを、振り返ってみました。

130年続く岡山県・倉敷市の機屋さんにある、世界に数台しか残っていない旧式のシャトル織り機で織られた帆布生地(キャンバス)に、天然の染料で染めを施したオリジナルの生地。



それをコレクションの軸として揃え、エプロンとバッグを展開しました。

次のコレクションは、1stコレクションの延長線上にある物作りができたら、素敵だと思いを巡らせました。

そこで考えに考えて辿り着いたのが、日本では数少ない「本藍染め」です。



デニムなどに使われていて、一般的に知られている藍(インディゴ)とはまた違ったものです。

「本藍染め」は、一粒の種を育てることから始まります。



ケミカル染料(化学染料)とは違い、天然の染料になるので簡単に作れるものではなく、時間と根気が必要となります。

いわゆる農家さんの作業となるわけです。

春の大安の日に種植えを行い、夏まで育てた苗を、秋に収穫し、冬に宿毛(すくも)と言われる「本藍染め」に必要となる原料ができあがります。



宿毛が出来上がるまでには、途方も無いくらいの時間と手間が掛かります。

現代の物作りの背景としては、とても生産効率が悪いと思われがちな製法です。

しかし、時間と手間を惜しむことなく作られた染料で染めたプロダクトには、決して化学染料には出すことのできない、自然の恩恵を受けたプロダクトに仕上がると思いました。

私たちの考える理想のプロダクトにぴったりです。

と言うことで、お世話になっている染め屋さんに紹介していただいき、広島県・福山市にある「藍屋テロワール」さんに、本藍について考察を深めるために伺いました。



「藍屋テロワール」代表の藤井さんは、藍染めで有名な徳島県で修行を重ねた後に、地元に戻って独立されました。

しかも藍染め農家を1人でスタートした、強い情熱を持たれている方です。

私たちの活動について藤井さんに説明をし、本藍について伺いました。

それが冒頭で書いた、とてつもない時間と根気、労力が掛かると言うことです。

自然で作り上げられる物には、人の手だけでは決して作り上げることのできない、自然からの恩恵が詰まっています。



そんな貴重な染料で2ndコレクションが作れたらと思うと、胸が弾みます。

次回は、サンプルを持参し、藍染めを施した内容をお届けします。

今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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