こんにちは、佐藤です。
今季のアウターアイテムとして、「Wakayama Premium Boa Blouson “Sashiko Pocket”」をご紹介いたします。
やわらかくも厚みのある和歌山産のボア素材に、胸元の刺子ポケットをアクセントとして加えたブルゾン。機能性と存在感を備えた一着で、冬の寒い時期にレギュラーアウターとして活躍します。
カラーは、ベージュとブラックの2色展開でご用意いたしました。

シルエットは、全体にゆとりを持たせた設計で、たっぷりとしたボアの素材感と丸みを持つフォルムは、往年のアウトドアブルゾンの雰囲気を纏う佇まいに。
縁には生地と異なる色のパイピングを採用することで、厚みのある生地感でも野暮ったさを抑えた印象に仕上げています。

表地に採用したのは、和歌山県・高野口で編み上げた肉厚のボア生地。空気を含みやすく、保温性が高い一方で、軽やかな着心地が魅力です。
さらに内側には、軽量な高密度タフタを配することで、防風性も確保。表と裏、それぞれの機能性が重なることで、寒い時期により頼れるアウターとして仕上げています。

胸ポケットには、全体のアクセントになる立体的な刺子生地を使用。ベージュは製品染めによる自然なムラ感のある生成り、ブラックはインディゴに奄美大島の泥染めを重ねた濃紺の刺子を採用しています。
ボアと刺子、それぞれ異なる経年変化として現れる味わいは、長く着用していくうえでの一つの楽しみとなります。

生地を手がけたのは、和歌山県・高野口にある1970年から始まる工場。繊維産業が根づくこの地域で、原料の調合、紡績から仕上げまでを一貫して行う、全国でも稀少な存在です。
今もなお稼働を続ける現場では、一つひとつの工程に人の手が入り、古い機械を整備しながら日々丁寧な仕事が積み重ねられています。この生地の豊かな風合いを支えているのは、需要の変化の中でも変わらぬ誇りを持つ職人と手間を惜しまないものづくりです。

ブラックカラーのポケットに施した泥染めは、奄美大島にしか存在しない自然環境と、そこに根付く知恵と技術が生み出した特別な染色技法。今回の泥染めは、創業70年を超える染め屋によるもので、そこでは大島紬の伝統を礎に持ちながらも、現代の素材やスタイルに合わせた表現を模索し続けています。
時代の流れとともに変化する需要に対し、職人たちは守るだけでなく、今に馴染む形での継承を選びました。この一着に宿る奥行きは、奄美の自然環境が育んだ素材と、それを現代に繋げようとする職人の知恵と技術、そして伝統を継承するという強い意志によって生まれています。

このWakayama Premium Boa Blouson " Sashiko Pocket "は、奈良県生駒市にある縫製専門工房にて丁寧に仕立てられています。この工房は、昭和59年に服飾学校の講師が立ち上げた小さなサンプル工房を原点とし、現在は2代目がその技術と思想を受け継いでいます。
地場産業に依存せず独自に築き上げた技術力は、仕様や素材の違いに柔軟に対応できる汎用性の高さを持ち、今もなお信頼あるものづくりの基盤となっています。
Series lineup
