こんにちは、米本です。
新たに販売を開始した「15.5oz "Amami Doro-Zome" Denim Sweat」についてご紹介いたします。
インディゴで染め上げた生地に奄美大島の伝統技法「泥染め」を掛け合わせ、落ち着きのある印象ながら、奥ゆかしさを感じる独特な表情があります。
染めのこと:奄美大島「泥染め」
今回、私たちが「15.5oz "Amami Doro-Zome" Denim Sweat」の染色を依頼したのは、 創業から70年以上続く染め屋さん。古くからの伝統を守りながらも新たなアプローチを通じて、泥染めを時代のニーズに落とし込んでいます。
泥染めは、奄美大島の伝統工芸品「大島紬」の制作工程の一部で、鉄分豊富な古代の泥やタンニンを含む車輪梅、奄美大島の温暖な気候が揃って初めて可能となる技法。世界で唯一、奄美大島でしか行われない理由は、島特有の自然環境にあります。また、この技法はかつて様々な時代で統治を受けてきた影響と、その中で島の資源を自らの生活に循環させてきた先人達の知恵が生み出した結晶ともいえます。
15.5oz "Amami Doro-Zome" Denim Sweatは、すでに染め上げた色鮮やかなインディゴ生地に奄美大島の伝統技法を掛け合わせていて、落ち着きのある印象ながら、奥ゆかしさを感じる新たな表情があります。異なる色を掛け合わせることにより、インディゴや従来の泥染めとは異なる、より深みのあるグレーカラーに仕上げています。
15.5oz Denim Sweatに施したアタリや使い込むほどに変化していく生地の表情。そこに泥染めを重ねることにより、インディゴの生地とはまた違う、味わいの変化を楽しむことができます。
泥染めは長い歴史を持つ伝統技法ですが、時代の変化とともに需要が減少しています。それでも職人さんたちは現状を受け入れつつ、「この技法をどう未来に繋ぐか」を模索し、新たなアプローチを試みています。私たちが依頼した「15.5oz Denim Sweat」もその一つで、大島紬の染め技法を現代に落とし込むことで、伝統を守りながら時代のニーズに合った形へ進化させています。
ただ、泥染めの核となる奄美大島の自然資源や職人の手仕事という根本は、これから変わることはないのかもしれません。この土地が育む自然と先人が育んだ知恵からこそ、奥深く美しい色合いが生まれるからです。「島のために何ができるか」「伝統を紡いでいく為にはどうするべきか」という、根本にある職人さんの思いは、その言葉と手から強く感じることができます。
15.5oz "Amami Doro-Zome" Denim Sweat
インディゴで染め上げた生地に、泥染めを重ねることで、青黒色の深い色合いに仕上げた一着。
泥染めは、奄美大島で長い年月をかけて受け継がれてきた伝統的な染色技法。天然染めが醸し出す独特な色と風合いは、自然の恩恵を受けて生まれる唯一無二の表情と言えます。
天然染料で染め上げた生地の最大の魅力は、着用し続けた経年による風合いの変化を感じられること。アタリ(擦れた風合い)の表情は使い込むほどに深みを増していき、プロダクトに施した染色の魅力が経年変化として現れてきます。